“あぶらかす”。ご存じですか?
古き良きお好み焼き屋では普通に使われていた…と思うのですが。
実はこの”あぶらかす”、今では立派な高級食材!
現在がんばって使っているお店は、お好み焼きの価格を上げざるをえない状況となっています。

なんで屋では『国産あぶらかす』使ってます!
お好み焼きにかすうどんに、うちの料理に欠かせない食材[あぶらかす]とは…

油かす(あぶらかす)とは、食肉から食用油脂を抽出した残滓を利用した食品である。畜産物を生産・消費する地域の一部で見られる。類似の食品は全国に存在するが、それらの原料や製法は様々で、その成り立ちや文化的係累も違う、それぞれ異なる食品群である。本項では便宜上、それらを総じて油かすと呼ぶ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

時代背景によってのものもあるので詳しくはウィキを読んでいただければと思います。

あぶらかす

そんなあぶらかす。
重要なのは、冷蔵・冷凍技術が上がって”流通ルートが確立された”ということなのです。
みなさんが焼肉屋で食べている”ホルモン”。
美味しいですよね。マルチョウやらシマチョウやら、テッポウやら。
今でこそ焼き肉屋に普通に並ぶメニューですが、2000年以前にはほぼ皆無でした。
臭いや足の早さから、流通に乗らなかったんです。
それが、流通され、美味しさに気づかれてしまった。。。

それは業者にとってとてもいいことなのは間違いありません。

が。

“あぶらかす”にとっては大打撃!
元々は、解体後、脂の多い内臓部分を炊いて油を取り、お肉屋さんで肉を買った時に付いてきたり、スーパーで肉を買った時にかごから取る『牛脂』。
その牛脂を炊いて搾り取る過程で残ったかすが『あぶらかす』だったわけです。
つまり、本来は捨てる前提の部位なので値段のつかないものを工夫してその風味やうま味を食卓に出したのがあぶらかす。
なのに、その部位が1頭から取れる赤身肉に比べたら量の少ないレア食材として扱われるようになりました。

B級グルメGPなんかも一役買ってますね。
『富士宮焼きそば』の華々しい優勝、そこにはあぶらかすの存在が。
結果、大量消費の波に巻き込まれていっているところも。

つまり…今、あぶらかすを買うためには、そのために加工業者があぶらかすを”作らなければならない”、そのために新鮮に流通されているレア食材を”仕入れなければならない”、と言う状況になりました。
仕入れ+加工費がほぼそのままかかってくるんだから価格が上がっていくのは当然ですね。
見る角度が違う(食材として認知、流通が確立された)とそこまで変わる、と。

これを書いている現在、30年以上前に母親が買っていたあぶらかすの値段を記憶で辿ってもらうと、どうやら10倍とかになっているみたいです。(あくまでも70代母親の記憶調べですw)
天かすの値段は変わってないので…そういうことです。

そこまでしても食べてもらいたい『国産あぶらかす』を使った”なんで屋”のメニュー。
香ばしさ、あぶらの旨味を引き出しておあがりいただけるようがんばってます!
どういったものなのかぜひ食べて知っていただきたい!
そして未だ提供を続けてくれている業者さんを少しでも支えたい。

うちではお好み焼きとねぎ焼き、お付けするお吸い物、かすうどんに使ってます!

『かす吸い』
あぶらかすの威力をダイレクトに味わっていただきたいので、鉄板焼きメニューにお吸い物としてかす吸いをお付けしています!
まずは旨味を存分に堪能してください。
そしてうどんと温玉のかすうどん。
からの、温玉乗っけた白ごはんにかす吸いかけてかきこんだら…玄人ですなw

美味しい高級食材あぶらかす。みなさんぜひご賞味ください!!